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おでかけ その1

サクサク進めたいけれど、落ち着け、と自分に言い聞かせてます。

あんまり急ぐと文章が崩壊する癖が………。

落ち着いて書きたいことを目指して書きたいことを積み重ねて。

メルとネルはぐずりながらも、朝の支度を終えて戻ってきた。

二人して俺を目掛けて走ってきて飛びついてきたかと思えば、再度、「あっちー!あっちー!」と騒ぎ始めるのだ。


「城の外に出たいのか?母になんと言われたか覚えているか?」


言ってやると、ググッと更に泣き顔が険しくなり、大きな目に涙が溜まる。


「母と約束していたのを聞いていたぞ。賢く返事ができていただろう?昨日までも良い子で聞けていただろう?

どうした?どうして外に出たくなったんだ?」

抱き上げて目線を合わせると、ポロポロ涙をこぼす。


「ゆうたたまー、たいのたいのいうの、あっちー」

メルが彼方を指差して訴える。

痛いからあっちに行く?


「たちけてーなの!たちけてーてあっちなのー」

ネルも続け、同じ方角を指差して訴える。

助けを求めてる、のか?


昨夜の夢を引きずっているのか?

ルーと顔を合わせる。

ルーも今ひとつ要領を得ないのか、二人の顔を覗きこむ。


「どうしたの?何か怖いの?嫌な事なの?

僕たちは怒ってないよ、泣かなくてもいいんだよ」

「あにょれ、ぬーたん!あにょれ!あにょれ!あっちなのー、ちてちててなくの」

「うん?あっちが来てって泣いてるの?」

問い返すと、メルはハッとしてコクコクと激しく頷く。

「しょなの、ちてなの!ゆうたたまとメーとネーとぬーたんと!」

「しょなのよ!ちてー!たいのたいのーて!たいのーていうのー」

ネルも興奮して話す。

「そうなんだね、でもお出かけは、お出かけの用意しなくちゃね。

メルとネルのお母様にお許しもらわないとね?

お約束破ったら、お母様泣いちゃうよ?」

いや、泣かんだろう。叱るだろうが。


おかかたまないちゃう!と主人たちは明らかに衝撃を受けて、そして泣き出した。

「あ、ごめんね。泣かないで大丈夫だよ、きちんとお話しして聞いてもらおう」

慌てて宥めるルーに主人たちを預ける。

「俺が話をしてくるさ、お前は主人たちを泣かせた責任を取って泣き止ませて出かける準備をしておけ」

「ふふ、わかったよ。

僕の奥さんたち、お出かけの準備をしようか、お菓子たくさん持って行こうね」

お菓子の一言でピタリと泣き声が止んでいる。

ルーの手腕かお菓子の魅力か。


エスレッラに遠出の旨を伝えると、あっさり承諾した。

俺とルー揃って居るなら心配する必要はないと考えている様だ。

昨夜の双子の悪夢の騒ぎも、一応耳には届いていたのか、少し思案顔であったが。

「あの子達も日々成長しています。並みの子とは到底思っておりません。その過程でどのような事があの子達に起こり、どのような事態に見舞われるのかは予想を超えてくると考えております。

どうぞ、あの子達をこれからもお助けください」

エスレッラは頭を深々と下げる。


「承知している」

主人たちを守り助けて行くのは、自ら決めた事。

言われるまでもないが、母としての役割を担いたくとも叶わぬエスレッラに他意がないのも理解している。

さすがは勇者と名を馳せた人間だ。

その意思に応えよう。



メルとネルの初めてのお出かけは、ピクニックという出で立ちではあったものの、移動手段は人のものとは異なった。

その理由は、二人の訴えた「あっち」の位置が人の移動手段では恐らく数日以上かかる場所の様だと察したからである。


メルとネル、俺とルー、そして側仕えの女官達と護衛の近衛隊。

総数二百には辛うじて及ばず、と言った数ではあるが。

さて、どう移動するか、と考えたところ、ルーが名案だとばかりに顔見知りの風の伝令神を呼びつけた。


「愛しい愛しい僕のエルメイロス」

ルーが囁けば、空気が煌めいて風が起こり、呼ばれた意向に従い現れる。

「我が名を美麗なるそのお声で呼ばれる日が来ようとは。

私はあなたの虜でございます。その愛に応えるべく馳せ参じました上、何なりとご所望くださいませ」

痩身の少年のような、少女のような風の伝令神エルメイロスは恭しく地上に膝をつき、ルーに礼を払う。

ルーの父ですら、手を焼いていた暴君と言う噂を以前耳にしたことがあるが、ルーの言うことは聞く、ということか。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


新キャラ出しました。

本当は、挿絵とまでは行かなくても、ラフ画のキャラデザ位は差し入れたいとかあたまのかたすみにあります。

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