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第八十二話 「まだ間に合うなら」
普段は物静かで穏やかな駿の言葉に
さすがの孝也も自分のふるまいを振り返ざるをえなかった。
「まだ間に合う・・・か!!」
菊池は孝也に
「将軍、ここは一発逆転狙ってやりましょう!」
「一発逆転・・・いい響きだ!
そうだな、
将軍とした俺が、
駿の言う通り、目先の情報に
惑わされていたみたいだ。
目が覚めたぞ!!」
と言い、続けて
「美名城先輩のためにも
タロ氏に格の違いを見せつけるためにも
とことんやってやろうじゃねーか!!」
と太郎と美名城の一件から
休みがちだった応援チームの練習にも励みだした孝也だった。
この時、安堵した駿だったが、
孝也の言う通り、
看板チームのはずの
太郎が今、どこで何をしているのか
分からないことには少しばかり不安も感じていた。
それは菊池も八千草も
同じであった。
そして、体育祭一週間前
全員が集まる
青組総会が開かれることとなる。