第六十九話 「なんだったんだ?」
四人は呆気にとられている合間に
海でのショーは終わった。
さっきまでいたカヌー乗りたちも
ショーを終えるとともにその場を去った。
去ったというよりは
駆け抜けていったという表現の方が
正しいかもしれない。
四人は回想していた。
おじさんや年上の人たち
に混ざって活動をともにしていた
彼らは、
彼女たちは、
まぎれもなく同じ青組のメンバー!
しかもダンスグループである。
いったいここで何をやっていたというのか。
あれが体育祭に何か関係あるというのか。
特に驚いていたのは駿、菊池、八千草であった。
ダンスグループでありながら
これといった指示は受けていなかったのだ。
それなのに目の前で同じダンスチームの先輩たちが
見知らぬ人たちと活動していた。
一体どうなっているんだ?
互いに目を合わせて知らなかったことを確認し合う三人。
するとこれまで沈黙を貫いていた孝也が
「これは聞いてみるしかないな」
駿が
「誰に?」
「無論、リーダーにだ!!」
八千草が
「え、でも・・・」
「でもはない。
少なくとも俺たちでは
この活動の狙いは分からないし、
何も聞かされていないというのも納得がいかない。
説明責任がリーダーにはある。」
そう言い切って海辺を後にした。