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第六十三話 「場違い」
海辺には、
数十人の見知らぬおじさん方に
数人の高校生
よりも歳上であろう若者たちが
集まっていた。
何かを話し合っている様子だ。
菊池、八千草、駿は
その光景を口を開けて呆然と眺めていると、
「場違いだったようだな!」
と孝也が三人に聞こえるような
大きなため息をついて後ろを振り返り、
自転車に乗った。
菊池も
「仕方ないね」と言わんばかりに
八千草と駿の肩に手を置いて
孝也同様、後ろを振り返り
学校へ戻ろうとした。
すると海辺の方から
ノリノリな
サウンドミュージックが流れ始めた。