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咲かせたのは君  作者: バルたん
第一章 誰に似るでもなく
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第四十六話 「惚れ惚れ」

「一人で大変でしょ?」



「ええ、とっても!」



「でしょうね。

だから私が来たのよ。

佐藤君の と こ ろ に!」



その言い方、

気を引き締めなければ

ほ・ほ・惚れてしまいそうになる。

美名城夏帆に

いきなり心が読まれた挙句、

手を差し伸べに来た優しさと

そっと包み込む口調に

惚れてまいそうになりながらも


「それはありがたいです」


と感謝の意思を心無い発音で伝え、強気に出ることにした。

これ以上心を読まれてたまるか。

きっとこれで俺に愛想つかしたに違いない。

人気も高く取締役として多忙の中、

わざわざ図書室まで

足を運んで気にかけてくれたのだ。

普通ならば

感謝の一言では物足りないくらいだ。

しかし、俺にはすでに惚れてまいそうなくらい

突然のことで心に余裕がなかった。


こんなところで惚れる惚れないと

煩悩に悩まされている自分が情けない。

気を引き締め直すぞ!!


すると美名城夏帆は笑い出した。


「そんな、真顔でありがたいって・・・面白い!!」


「はぁ~・・・」


どこが面白いのか全く分からない。

でも美名城夏帆は涙目で笑っている。


不思議な感じだ。


俺の言葉がこんなにも先輩と言う人種に

届くとは思いもしなかったからだ。

ましてやあの美名城夏帆がだ。



「ねぇ、佐藤君」



「なんでしょう?」



「佐藤君って友達にはなんて呼ばれてるの?」



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