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咲かせたのは君  作者: バルたん
第一章 誰に似るでもなく
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プロローグⅤ

新入生だけではない。


在校生含め

教師以外が同じ制服を身にまとい、

校長、PTA,生徒会長、新入生代表と

当たり障りない挨拶をこなしていった。


狭苦しい体育館の中で一時間にわたる

人生最初で最後の貴重な高校入学式は、

俺にとって実に不毛かつ退屈なものに終わった。


新入生から順に解放されていく。

解放された時は、

まさに都会の満員電車から

何とか脱出かのするように

下車した時の清々しい気分と同じで


「これで俺も晴れて自由の身だ」と


言わんばかりに

一時停止して両手を伸ばし、背伸びをした。



すると

後ろから一瞬だが

「手すりがないのは辛かったね」

と優しく語りかけるような声が聞こえた。



自分の世界に入っている最中、唐突な出来事だった。


俺は自分の世界に入り込みすぎたせいで

満員電車の幻聴が聞こえたのかと冷静さを取り戻そうとする。



「さあ、落ち着こう。

満員電車は俺の心の中の世界だ。

落ち着け落ち着け~!!

息吸って~、吐いて~。もう一度吸って~」




「手すりが必要だ」



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