第三十二話 「千里眼」
「あら、それで反省したつもり?
私が本当に聞きたいことは
佐藤君ならもう分かってるわよね?」
これだからできる先生は本当にやりづらい。
俺の口から言わせる気だっていうのか。
分かってはいるが、
それを言ったら俺が俺でなくなる。
「申し訳ありません。
真千先生が聞きたいこと
俺には先ほどのこと以外には何が何だか。」
「あら、とぼけるのね。」
不敵な笑みを浮かべ俺の肩をポンと叩いて言った。
「まぁ、佐藤君がどういう子なのか
少し分かったからよしとしましょう。
佐藤君も私のこと少しは分かったみたいだしね。
今日のところは免じてあげるから、
明日からは寝るなとは言わないけど、
周りに迷惑はかけないようにしてね。」
「はい」
「でももし寝たら
これまで以上の罰を考えておくからね」
「は・・い」
最後のとても恐ろしい一言は早々に忘れることにして、
真千先生には俺の取った行動は見抜かれているようだ。
いや、それだけじゃない。
性格もろもろ把握されてしまった気さえする。
真千先生の千里眼恐るべし・・・
これからの講習が気まずくなりそうだな。
太郎は
みんなが待つ教室へと戻ろうとした時だった。
講習室を出たところに菊池華が立っていた。
あれ?菊池さん?
辺りを見回しても人影がないことから
どうやら俺を待っていたようだ。
俺は気付かないふりをして
その場を去ろうとしたが、
「佐藤!!」
呼び止められてしまった。ってか呼び捨て!?
「うん、あ、菊池さん。俺に用?」
「うん、佐藤を待ってたの」
ああ、女子からこんな言葉を
生きているうちに聞けるとは・・・生きてて良かった。
しかも呼び捨てってのがレベル高い!!




