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第二十七話 「眠気の先に聞いた一言」
いや、待てよ、
それで椅子に座って寝れるなら
いいアイデアかもしれんが・・・。
夏期講習で寝ることを
第一の目的としている俺の無能さは
俺自身が一番理解している。
だが、習慣はなかなか意思だけでは変えられない。
結局今日も
いつもと同じタイミングで
眠気が襲ってきた。
やばい、
やばい、やばい
もう無理だ・・・
どうせここで
抗っても数分後にはまた襲ってくる。
寝てしまえば楽になれる。
もう、
寝るしかない。
目をつむろうとした瞬間
普段は寝ていて
聞くことができなかった言葉を耳にする。
「もしかして寝てるの?」