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第二十五話 「看板チームの主導権」
看板チームには
知的そうな女子たちと
大人しそうな草食系男子が集まっていた。
残念なことに男子の中に
画力など芸術センスに
たけている者が一人としていなかったためか、
看板チームの主導権は女子が握った。
男子は主に荷物運びや
看板製作に当たっての準備物の用意など
雑用をおしつけられていた。
俺も含めて体育祭への心意気が基本低めの
看板チームの男子たちは、
雑用も言われるがままに
誰一人反論を唱えることなくことは進んでいった。
夏期講習も体育祭の準備時間も
このまま順調に行くものだと思っていた。
夏休みを迎えて
やっかいごとを引き起こさないよう
上手くやってきたはずの
平穏な生活に
まさか、
亀裂が入ってしまうとは。