第二十四話 「それぞれのチーム」
夏期講習が終わり、
孝也を筆頭に
クラスの野郎どもが
ここ一番の集中力を発揮する
体育祭の準備時間がやってきた。
体育祭の準備では
『ダンスチーム』
『応援団チーム』
『看板チーム』
の三グループに分かれる。
基本的に体育会系が
ダンスチームか応援団チームで
文化系が看板チームという流れだ。
俺を含め、駿も孝也も帰宅部である。
当然の流れとして看板チームに行くと思われたが、
駿はその甘いマスクと身体能力を買われ、
本人の意思とは反してダンスチームの一員となった。
ダンス=イケメン美女の集まり的な風潮は
世間のジャニーズやアイドルの存在が大きく影響している。
ダンス好きのブサ面からしてみればいい迷惑だ。
まぁ、俺は幸いにもダンス好きでも
目立ちたがり屋でもないから害はないが。
八千草さんはバトミントン部の体育会系であり、
無論、侍の嫁候補・・・いやいや嫁見習いであるため、
駿と同じダンスチームに入った。
一方孝也は、
孝也だけは俺と看板チームと思っていたのだが、
あいつはあいつでブサ面ながらも強い、
いやいや、図太いハートの持ち主で
黒い学ランと赤い鉢巻を身にまとい、
一年の応援団長としてやる気満々である。
応援団チームの応援団長とは
何だかんだで将軍といい、
カリスマ性があるのが孝也の持ち味なのかもしれない。
結局、全員どころか、
俺一人だけが看板チームとなった。
やべぇ、暇を潰すためのしゃべれる奴がいねぇ・・・