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咲かせたのは君  作者: バルたん
第二章 現れるべくして現れる
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第二百八十九話 「兄弟のようなカップルのような」

肩から膝の上とはこれまたハードルがぐんと上がってしまった。

特に先ほどの膝の上、詳しくは太ももの上でうつ伏せから仰向けに

八千草さんの頭が動いた時の感触はまだ残っている。


落ち着け落ち着け!

いちいち興奮している場合じゃない。

だけど、やっぱり八千草さんって孝也が一目惚れしていたように

侍(駿)の嫁見習いということだけあって可愛いんだなぁ~~


平民の俺なんかじゃあ到底釣り合わないなぁ~~


俺とバディで良かったのかなぁ~~


負担に感じてたりしないかなぁ~~



気付くと太郎は小さい子どもを寝かしつけるように

八千草の髪を優しく撫でながら自分も夢の中に・・・




しばらくして長時間に渡る鳳凰院の処置が終わり、

鳳凰院を救護室のベットに横にしてから

美名城と八千草美悠は救護室から出てきた。


「結構時間かかっちゃったね」


「かかっちゃったね。でもこれで透華は元の透華に戻るわね。


「うん、そうだね」

美名城は笑顔で頷いた。


「夏帆、もう夜遅いからよかったら家に泊まってってね。」


「うん、ありがとう!じゃあお兄ちゃんには言っとくね。」


兄の夏海に八千草家に泊まることを連絡し終えると


「あ、そういえばタロちゃんたちはもう帰ったよね?」


美名城が太郎がいたことを思い出す。

美悠は

「そうね、もうさすがに帰ってるはず・・・だ け ど・・・」

と突然立ち止まって一点を見つめていた。


美悠が立ち止まって見つめている視線の先を

美名城も同じように視線を向けると


そこには


ソファーで太郎の膝の上で

太郎の方を向いて横になっている八千草咲苗

ソファーから落ちないように

八千草の背中に左手を当て

顔の頬に右手を置き

真上を向いて口を開けたまま寝ている太郎がいた。



美悠からすると

まるで仲の良い兄弟みたいな光景に映るものも、

美名城からは

まるで仲の良いカップルみたいな光景に映ってしまっていた。



「あの二人って・・・・」


美名城が言葉を詰まらせると


「たぶんタロちゃんが

早苗ちゃんの面倒見ててくれたんだろうね。」


「え?タロちゃんが?」


「うん。早苗ちゃんはね、

このソファーに座るとすぐ寝ちゃうところがあって

たぶん私たちのことを心配して

二人で待っててくれたんだと思うんだけど、

気付いたら先に早苗ちゃんが寝ちゃったんでしょうね。

なんかタロちゃんが実のお兄ちゃんみたいで二人とも可愛い。」


「タロちゃんがお兄ちゃんか~・・・

そのタロちゃんも寝ちゃってるけどね。」


「そっとしといてあげましょう♪」



美悠の提案で毛布をかけてそっとしておくことにしたものの、

美名城の中では自分でも分からない複雑な気持ちが芽生え始めていた。


なんかモヤモヤするなぁ~。まさか、タロちゃんのことが・・・

そんなはずはない!!早く寝てしまおう・・・

毛布に包まる美名城だった。




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