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咲かせたのは君  作者: バルたん
第二章 現れるべくして現れる
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第二百八十六話 「休日の生徒会室で起きた事件」

「え!?」



その声を聞いて後ろを振り返る美名城、いや

美名城だけでなく、葵、肇、豪に杏沙も同じくして

声がした方を振り向いた。



あの、あの冷酷で何もかも支配することだけを

第一に考える絶対的暴君

だったはずの生徒会長鳳凰院透華が

鳳凰院透華が・・・・謝った!!??



一度も聞いたことがなかった

鳳凰院のか弱い声で

自分が悪かったと認めること自体

あの鳳凰院を知る者たちからしてみれば信じられないことだった。



肇が

「会長!いかがされましたか?お熱でも・・・」


「肇君、私は至って平常よ。

いや、これまでが平常ではなかったのかもしれないわ。」



生徒会全員が耳を疑う鳳凰院の言葉が出てくる中、

美名城は鳳凰院に瞳を見つめていた。


あの瞳は


あの時の・・・透華・・・


「いやいや、何を言っているんだ会長!!

会長のおかげでここまで生徒会も勾玉も強くなったんだよ。」

副会長の葵が諭すように語りかけると


美名城は

「おかえり、透華」


「うん、夏帆ありがとう!

私、会長も生徒会もやめて自由になる。」


葵には目もくれず

鳳凰院は生徒会長専用のイスから立ち上って

美名城の方へと向かって歩いて行く。


美名城に近づいていく鳳凰院はかつて見ていた穏やかな表情をした

顔に戻っていた。美名城も鳳凰院の表情を見て安心して抱きしめようとした。


その時、葵はポケットの中で手袋をはめ

鳳凰院の背中にある物を打ち

すると鳳凰院の表情は一変し、美名城に襲いかかる。


美名城は力を失っている。

しかし、美名城はシールドを張り鳳凰院の攻撃を防いだ。

防がれた鳳凰院は再び美名城に襲いかかろうとするが、

肇が鳳凰院の攻撃を阻止し、鳳凰院の背中に打ち込まれている

細い糸でつながれた紫色のクナイを外した。


鳳凰院は我に返るとともに、美名城に向かって倒れ込む。

美名城は鳳凰院を両手で抱えると

肇が

「夏帆さん、逃げてください!!」

と叫んだ。


「え?どういうこと?」

夏帆が肇を見ると

肇は葵を指さしていた?」


「ちっ、夏帆どうやって力を取り戻した??

それと肇君、俺に勝てると思ってるのかい?」


「今の私では到底無理でしょう。しかし、私は会長の

秘書です。会長に害が及ぶのであればそれを止めるのが役目です。」


「透華は今、会長職を降りた。俺が会長なんだぞ。」


「それでも、まだ私の会長は透華さんです。

これ以上はお止めください。」


「それは無理な願いだ」

葵は負傷している肇に鳳凰院に打ち込んだクナイを数発打ち込む。

全てを防ぎきれない肇はクナイが身体に刺さる。


美名城は

「葵、それがあなたの本性なのね!!

全て裏で操っていたってわけ。」


「そうだ。全ては海満のために!」


「肇、大丈夫!?」


「いえ、私はもうまもなく理性を失います。

そうなったら会長たちを守り切れません。

どうか逃げてください。会長をお願いします。」

会長秘書、九条肇は生徒会室の扉を締めて

最後の力を使いシールドを張った。



「ありがとう、肇!!」


絶対にあなたのことも助け出すから

待ってて・・・・

美名城は心の中で強く決意し鳳凰院を連れて生徒会室を後にした。



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