第二百八十二話 「真っ黒焦げの海満高校」
「八千草先輩、いいんですか。」
駿があそこで起きた出来事と
男の正体に公表について迫ると
「いいのよ。
そもそもまだあの男性のことについて
私たちは何も分かっていないわけだし、
それを聞いてもみんなが混乱しかねない。
今は生徒会の恐怖政治を止める勢力として
私たちとみんなが立ち上がらないといけない時。駿君はそうは思わない。」
「そこまで考えが及んでいませんでした。すみません。
あの男のことは秘密裏に探すしかなさそうですね。」
「うん。生徒会も今回の失態については公表しないはずよ。
それに今私が心配なのは
校内で会うはずだった夏帆と見当たらないタロちゃんは大丈夫かしら。」
「美名城先輩なら大丈夫です。
先程高坂先輩に寄り添っている姿を見かけしました。」
「なら良かった。あとはタロちゃんね・・・」
八千草美悠と駿はあの男については
まだ公表しない旨を
翔や他のバーランBの力を持つ三人に説明し口裏を合わせた。
タロちゃんがいない・・・
まったく居場所の手がかりがない太郎を
海馬組含めて捜索していると、それを知った美名城が
「タロちゃんならいるわよ」
「え??どこですか?!」
菊池が合わせてて場所を尋ねると
スーヒースーヒー
「嘘でしょ!!??」
野球部の一塁側ベンチでひっそりと寝ている太郎に
驚きを隠せない捜索していた菊池たち
「どんなハートを持っていたら
こんな事態になっても寝てられるの?
しかも口開けて寝てるし。」
菊池の問いに
みんな口を開けたまま首を傾げた。
孝也は
「とても信じがたいが、このハートだけは将軍の儂を凌駕している。」
八千草は
「まさか私もこうしてタロちゃんの寝顔を拝見することになるなんて・・・」
と驚きながらも心なしか嬉しそうな表情をしていた。
八千草美悠と美名城も
ややあきれ顔ながらもホッとした表情で寝ている太郎を眺めていた。
海満高校を襲った火の海も
消防車・・・が到達する前に
不自然なくらいな早いスピードで消えていった。
火が消えると
海満は真っ黒焦げ状態となり、悲しみに暮れる生徒も多くいる。
しかし、一方で
グラウンドでは生徒たちの助かったという安心・安堵から歓喜が湧いていた。
その歓喜を聞いた太郎は
「おお、なんだ?
・・・あれ、ここは!?」
ようやく目が覚める!!