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第二十一話 「夏期講習は天国?」
というわけで
話が少し逸れてしまったが、
孝也が言う戦の一つ「夏期講習」が始まった。
孝也の目的が
夏期講習そのものにないということは聡明明白である。
だが夏期講習に出ななければ、
外ではセミの ミーンミーンミーン
と言う風物詩、否、永遠に続く騒音とともに、
蒸し暑い環境が無条件で完備されている。
夏期講習の室内と言うと、
クーラーガンガンで
地球温暖化を促進させてしまっている
という罪悪感と隣り合わせとともに、
教師の安らかな子守歌によって快適に涼みながら過ごせる
天国のような環境もまた無条件で完備されているのだ。
間違いない。
夏期講習は
我々高校生にとって安息の地(天国)である。
そんなことを思って
夏期講習に参加していた俺は
一番前の席で
いつの間にか夢の中へと吸い込まれ、
いつの間にか地獄へと突き落とされるのであった。




