第二百七十九話 「一色触発な危機的状況」
「手はず通り頼むわよ。
必ず夏帆、美悠は救出に向かうはず。
夏帆はまだしも美悠はおさえてちょうだい。」
「かしこまりました」
翔が
「理科室と給食室から火が上がったと考えると
こっちはまだ火が弱いはず。」
そうして美悠率いる救助隊が体育館側から救助へと向かうと
入り口で生徒会メンバーの三人が待ち伏せていた。
「ちょっと、急いでるの!そこをどいてくれる?」
美悠の言葉がけに
「それは到底応じれない話だな。これは我々が目指す
バーチャル世界の大事な一歩なんだ。」
「気が狂ってやがる!!」
翔の発言に
「そこの坊主、発言には気をつけろ!
事によってはこの炎と共に消し去るぞ。
生徒会メンバーナンバー5 剛隆 豪」
「あかねを救助しに行こうとしてるみたいだけど
もう手遅れよ。それにあの放送室は会長のシールドが
張られているから誰も入ることはできないわ。
勾玉でも壊さない限りね。
まぁ、私たちがここにいる以上中にも入れないけどね。
生徒会メンバーナンバー6 目尻 杏沙」
「みんな気をつけて。ここにいる二人はバーランA
強さは本物よ。それに肇、あなたまで。」
「美悠さん、バーランBの生徒を引き連れて
いかがなさるおつもりですか?
どうかお引き取りください。
こちらとしてもこれ以上無駄な犠牲は増やしたくありません。」
「あなた、あかねちゃんは同い年の仲間でしょう!
本当にこれでいいの?あなたが生徒会に入ったとき言ってた正義を貫くって
大切な仲間を見て見ぬ振りして犠牲にすることなの?
まだ間に合うからそこを通してくれる?」
「美悠さん、あなたは会長・副会長に
引けを取らない唯一力を持つ人です。
ですが、あのお二人がいる生徒会に
楯突くことのリスクを理解していない。
この学校での正義は生徒会なんです。
それ以上でもそれ以下でもありません。お引き取りを!!」
「透華だけじゃなく、あなたも変わってしまったのね。
こういったことはできることなら避けて通りたかったんだけど
時間も無いから力尽くでもそこを通してもらうわ。」
八千草美悠はピンクの手袋、
バーランBの生徒三人は緑の手袋をつけて臨戦態勢に入る。
駿と翔は、一歩後ろに下がる。
「致し方ありませんね」
肇も眼鏡をカチッと上げて
黒の手袋をつける。
剛隆豪と目尻杏沙も黒の手袋をつけ
火の海真っ只中で生徒会と八千草美悠率いる救助隊の
バーチャルバトルが始まろうとしていた。