第二百七十八話 「私の言葉がみんなに届き続ける限り」
「みなさん聞こえますか!
私は二年の高坂あかねです。」
グラウンドに避難する生徒たち全員が耳を傾ける。
救出の作戦を立てている八千草美悠たちも耳を傾ける。
「あかねちゃん!!!」
会長の鳳凰院は
「一体何のマネかしら?」
じっと放送に耳を傾ける肇と生徒会メンバー
「・・・あ~あ・・・・
うん?何だ??
何か熱いな・・・・」
高坂は話を続ける
「私は元々生徒会のメンバーでした。
当時は生徒会が目指すバーチャル化の高度な技術にとても
惹かれていました。それはおそらくみなさんも同じだと思います。
ですが、会長の鳳凰院透華は我が校が大切に保管している勾玉の力に
よって心は支配され、今はこの火災のように全てを飲み込もうとしています。」
「ちょっと、何を言っているの?!
肇、放送を止めさせなさい!!」
「会長、それは無理です。今あの放送室には
勾玉の力を使ったシールドとともに炎に包まれています。
誰も近づくことも、解除することもできません。」
「あかね・・・黙りなさい!!」
「・・・・
バサッ・・・・ガラガラ・・・・」
「私は生徒会によって消されます。この炎とともに。
ですが、現にこの火事、火災で多くの生徒のみなさんが
火傷を負ったり、転んだり、怖い思いをさせらています。
私の言葉がみなさんに届き続ける限り願います。
生徒会の暴走を止めてください。
美名城先輩や八千草先輩の指示を聞いて
どうか本当に誇りある海満を創っていってください。
託しましたよ!!
では最後に
みなさん海満の未来を創る準備はいいですか?」
「おーう!!」
最後の放送は体育祭の開会式の時と同じ
くくりで締めた高坂の言葉は
グラウンドで避難する生徒たちの胸を強く打ち
涙ながらに一致団結させた。
八千草美悠はバーランB以上の生徒三人を集め、
駿と翔も一緒につれて救助へと向かった。
「お願い、あかねちゃん、諦めないで!!!」
美名城も
「あかねちゃん、ここまで守れなくてごめん!今行くからね。」
みんなが火の海の中
高坂の救助に向かっていた。
マイクの電源を切った高坂を
炎で燃えて落下してきた天井が襲う。
下半身が天井の下敷きになっていまい
身動きできなくなってしまった。
みんな・・・託したからね・・・・
君たちも・・・お願いね!!
高坂の
朦朧としていた意識は少しずつ
深い暗闇の中へと入り込んでいく・・・
ガラガラ