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咲かせたのは君  作者: バルたん
第二章 現れるべくして現れる
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第二百六十七話 「奪われた権利と自由」

「勾玉がとられてしまった学校は

一体どうなっちゃうんですか?」


菊池が心配そうな表情で尋ねると


「それはね、

常にやることすることが見張られていて、

新しい試みをしようとしても横取りされたり、

理不尽な要求をせがまれたり、

招集をかけられたりって

あらゆる実権と自由を奪われてしまうのよ。」


「そんな、

勾玉を返してあげることはできないんですか?」


「今の生徒会にその選択肢はないでしょうね。

生徒会によるバーチャル空間は

実はもうほとんど完成されていて、

他校ではすでに海満のバーチャル空間が広がっているの。」


「それはどういうことですか?

自由がないってことですか?」


「バーチャルにおいての自由はないわ。

その代わり日本屈指の海満が誇る

バーチャル空間が得られることで、

強いセキュリティと高度なバーチャル教育を

受けられることができるようになっている。

だから他校のみんなが嫌がっているわけでなくて、

先ほども言ったようにバーチャル技術を使って

何か新しいことに試みようとする

生徒たちからは恨みを買うことになるわね。」


「そんな・・・・」

菊池が言葉を詰まらせると

駿が

「要するに生徒会が管理している勾玉を

奪ってしまえばいいってことですね?」


駿の発言にニコッと笑みを浮かべる美悠は

「奪うだなんて穏やかではないけれど

そういうことになるわね。

勾玉自体は小さいけれど、

一つ一つにものすごい力とエネルギーがあって、

その力とエネルギーがあるからこそ

海満はとてつもないバーチャルスキルの開発と

空間を維持することができているの。

勾玉がなくなれば強気な姿勢も取りづらくなるわ。」


この話を聞いた孝也は

「自分たちの力を誇示するためだけに

他校の権利と自由まで奪うとは許し難し。

海馬組で攻め落とそうぞ!!」


「おーう!!」


海馬組の士気がが上がった。

しかし、美悠は

「ちょっと待って待って。

そんなに単純な話ではないのよ。

相手はバーチャルスキルの精鋭部隊で」


ここで発言してこなかった八千草咲苗が


「お姉ちゃん、大丈夫。私たちだからこそ

力になれることもあるはず。そうよね将軍?」


「その通りです。

もちろん八千草先輩の協力も必要ですが、

俺たちそんじょそこいらの一年とは違います。

それに正義を勝ち取るための海馬組ですから!!」



こうして第三回の海馬組会議は終わった。



様々な真相を八千草美悠の説明によって

知ることとなった海馬組のメンバーたち。


次週の第四回海馬組会議で

今後の作戦会議を立てることとなった。



駿は考えていた。

まだまだバーチャルに関する知識も技術もないまま

生徒会に立ち向かうのはとても危険な行為だ。

将軍が暴走する前に

まずは生徒会の力量も含めて探る必要がある。




しかし



この数日後



海馬組の一員は



生徒会がもたらす

バーチャル空間の支配力を

身をもって体験することとなる。






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