第二百六十五話 「ハッキングによって得た極秘情報」
「それではまず私からお聞きしたいことがあるんですが」
「はい、孝也君何でしょう?」
「海満東高の人たちは
一体どんな恨みがあってこの学校を
襲おうとしていたんでしょうか。
正直始めは驚きましたし、
援軍を呼んでいたということで、
生徒会が来ていなければ
それなりにやばい状況にもなってしまっていた
可能性もなくはない気がして・・・・」
孝也の言葉に駿は
孝也の見ていた時の気持ちを察していた。
将軍は驚いたと言っていたが、
おそらく怖かったのだろう。
俺も実況していたけど
一触即発になりかけた時は
さすがに実況どころではなかった。
ただ現状を見守るだけだった。
おそらく見ていたみんなが
そんな怖さを感じていたはずだ。
美悠は
「そうね、みんなには怖い想いをさせて本当にごめんね。
実はね、うちの学校に恨みを持っているのは
海満東高の人たちだけじゃないの。」
「え?どういうことですか??」
孝也が驚いた様子で聞くと
「話が長くなるけど、順を追って説明していくはね。
まず始めにうちの生徒会が
どうしてここまでの力を持っているかについて、
孝也君は知ってるわね。」
「え!?」
菊池、八千草、駿、翔、太郎は驚いて
孝也を見ると
「どうしてそれを?」
と反対に質問していた。
「あなたが生徒会専用のHPをハッキングしようとしたって
ことくらいは情報が入ってきているからね。」
「ハッキング??孝也何やってんだよ?」
太郎らの仰天に
「知りたかったんだ。この学校が隠そうとしている
最高機関とも言われている生徒会の存在を。」
すると菊池が
「それで、ハッキングはできたの?」
「ああ、一時的にはな。だが、色々な情報を閲覧する前に
生徒会の誰か邪魔されてブロックされちゃったけどね。」
「だからだったんだ。孝也が海満のことについて
すごい物知りだったのは。」
「そうである。必要に応じてリサーチしたに過ぎない。」
孝也のリサーチ力に怖さを感じてしまうほど
頼もしくも感じた菊池は、
「すごいことするわね。
そこで何か情報を掴んだの?」
「生徒会が一体どんなことを得意としているかくらいはね。」
「生徒会が得意としていること?」
「八千草先輩このことはみんなに言っても平気ですか?」
孝也が確認をとると
「大丈夫よ。話してあげて。」
と承認した。
「実はだな、世界のIT技術の革新に伴って
日本で東西に一校ずつ、計二校のみ
国から援助を受けながら進めていることがある。
それはICT教育の進化版として取り上げられている
バーチャル世界ならぬバーチャル教育だ。」
「バーチャル教育?」
「ああ、そうだ。
バーチャル教育がどんなものなのか
俺もまだ詳しくは知らないんだが、
おそらく生徒会の人が言っていた
シールドというのも
バーチャルの技術の一つだろうと考えられる。
違いますか八千草先輩?!」
ここにいる八千草美悠以外の視線が美悠一点に集中した。