第二百六十四話 「幕引きと始まり」
「なるほど、この人がうちの副会長か!!」
太郎が何かを感じた副会長こそ
美名城の元カレと噂される
月嶌葵である。
すると
生徒会長の鳳凰院が
「夏帆、美悠、あなたたちには力はあるけど
少しやり方が手ぬるいんじゃなくて。
この海満ブランドが損なわれれば
それこそ国益の損失に繋がりかねないわ。いいわね!」
おいおい、マジかよ!
美名城先輩と八千草のお姉さんにダメ出しか。
生徒会長どんだけ偉いんだよ?
しかも何だ、海満ブランドって?
国益の損失??
すると美悠が
「そうかしら。
これまでその手ぬるいやり方だった時の方が
平和は保たれてきたように感じるけど。」
「美悠は相変わらず平和主義なのね。
でもこれからはそんな受け身の姿勢では平和は維持できないわ。
そう思うでしょ、夏帆!!」
どうやら八千草姉さんとこの生徒会長さんは
考え方が反対のようだ。聞いていたとおりだ。
ただ、美名城先輩、あなたはどちらにいらっしゃるんですか?
そこは否定して・・・
「そうね。透華の言う通り
関西の國山高校のことも、
国からの援助のことも含めると
私たちには更なる成長と挑戦が必要ね。」
「その通りよ。
もっと言えば、今回の海外遠征で
世界も私たちの想像を超える速さで進化していってるわ。
美悠、早く目を覚ましてこっち側に来なさい。
生徒会は美悠のことをいつでも待っているからね。
それとあかね。あなた本当にそれでいいの?
よく考えなさい。
それじゃあ行くわよ!」
鳳凰院の一言で生徒会メンバー
すなわち海満高校の特権を裏で牛耳る最高機関の
メンバーは校長室の隣にある生徒会室へと入っていった。
美名城は
「美悠、ごめんね」と言って、その場を後にした。
その時、太郎は美名城と美悠二人が
お互いのことを理解し合いながらも
なぜか悲しみの中にいるように見えていた。
そしてまた高坂あかねにもいつもの明るさが消えていた。
もしかしたら俺が考えている以上に
この問題は大きいものなのかもしれない。
他校の襲来、そして生徒会の帰還は
海馬組にとって大きな事態として第三回海馬会議で
取り上げられることとなった。
そして
この会議の場に八千草美悠も同席することとなった。
孝也が
「今日はみんなも見ていたであろうあの時の出来事を
我々だけで分析することは困難であると考え、
八千草さんのお姉様でもある八千草先輩に同席していただくことになった。
八千草先輩よろしくお願いします。」
「この会議のことは
タロちゃんからも聞いていたけど、
ずいぶん本格的なものなのね。
改めまして早苗の姉の八千草美悠です。
みんなが力を貸してくれようしてくれていること
すごく嬉しいわ。今日は何でも気になることは聞いてちょうだい♪」