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第二百五十二話 「出迎えはおじさん、否、おじ様!」
お、おお!!
門が開くと
そこには麦わら帽子を被り、丸眼鏡をかけている
いかにも農作業をしているっぽいおじさん、
否、よく見れば見た目は
推定六十~七十代のおじさんの割に
背筋が伸びていて優しそうな瞳の中に鋭さを感じる。
これはおじさんではなく、おじ様だ!!(※太郎の勝手な解釈)
太郎がおじ様の観察&憶測を終えると
そのおじ様から
「こんにちは」
と挨拶を受ける。
太郎も続けて
「あ、こんにちは」
と慌てて一礼し挨拶をする。
「門の前で何をしているのかね?」
「あ、それが、今日は八千草さん、
八千草咲苗さんとお姉さんの美悠さんに用がありまして・・・」
「ほう、美悠お嬢様と咲苗お嬢様に?」
「お、お嬢様??あ、そうですそうです。」
「違っていたら失礼するが、
君は佐藤太郎君かな?」
「あ、はい、そうです。
一年の佐藤太郎です。」
「そうですか、君が。
咲苗お嬢様から話は通っています。
どうぞ、こちらへお入りください。」
「あ、はい。
ありがとうございます。」
こうして太郎は八千草家の門をくぐったのだった。