第十八話 「八千草の役職」
孝也はすでに
八千草の話の内容を整理しきれていない。
射貫かれ、キャパオーバーの様子
一方、実況席も実況すべき言葉が出てこず
ただただ目を丸くして八千草咲苗を直視していた。
三十秒の時が過ぎ
「あ、 いや、 えっと、
八千草さんなら大歓迎だよ。
平民なんかじゃなくて、
姫として向かい入れよう。」
射貫かれていた孝也が息を吹き返した。
一方太郎は
おうおう、
俺のときとの扱いの差が
天と地ほど違うじゃねーかと不満げ。
こちら実況席
孝也が息を吹き返したことで
俺のさらなる不満が積もる模様
「やった!嬉しい!!
でも私、姫だなんて柄じゃないよ。」
「じゃあ、何がいい?
もちろん平民以上で!」
どうしても俺を一番の底辺に置いときたいらしい。
「じゃあ、侍の嫁候補はどうかな?」
どうかな?っておいおい、
なんじゃ、そりゃ。
侍の嫁候補はねーだろ、嫁候補は。
って侍は駿じゃねーか。
駿狙いなのがバレバレなんだよ。
いきなり嫁候補って何でもアリなのかな。
そんなの将軍気取りの孝也が許すわけねーだろ。
「あい分かった。駿にも伝えておこう。」
ちょちょちょちょちょーーい!!
嘘だろ!?
まじか!?
あの女子好きなら
神さえ恐れるあの孝也が
駿の、あ、いや侍の嫁候補で許すのか。
っていうか侍の意思は?
うむも言わさずに八千草咲苗の役職は決まった。
無論、駿も実況席から見守ることしかできない状況である。
目の前で本人の意思を確かめることなく
嫁候補が決まる駿の様子は・・・
さすがに同情する余地があった。




