第二百四十三話 「して可決、否、不可抗力となる気がかり」
ガタガタガタ
地震だ!!
揺れはほどなくして止んだ。
しかし、
地震の揺れによって
チャリに置いてきたカメラの電源が入っていた。
ただ、孝也のスマチョから作動したわけではないため、
録画モードにはなっていない。
皆、突然の地震に驚きつつも
揺れがそこまで強くなかったことに安堵していた。
外の先輩たちは
どうやら地震の揺れに気がついていない様子。
八千草が
「お姉ちゃんたちは地震があったことに
気付いてないみたい。」
「じゃあ、私が伝えてくるよ。」
菊池が地震があったことを伝えに行こうと
立ち上がったとき、
テーブルに菊池の脚が当たった。
その衝撃で
孝也のスマチョが床へと落ちる。
「あ、ごめん!!」
「ふふふ、大丈夫。
こんなことがあってもいいようにと
我がスマチョは頑丈装備なのだ。」
そうしてとったスマチョから
「夏帆、そういえば
そろそろ彼らが帰ってくるって聞いた?」
「うん、聞いてる。そうなんでしょ?」
「はい、先輩たちなので伝えますが、
まもなく帰ってきます。」
「それは、忙しくなるわね・・・・」
とっさのことだったとはいえ、
八千草姉→美名城→高坂のやりとりの一部が
聞こえてきた。
孝也はすぐさまスマチョのボタンを押して
録画モードをオフにしたが、
間に合わず。
「もしかして今のって先輩たちの声」
菊池が驚いた表情でつぶやく。
孝也が
「すまん。今、スマチョが落ちた衝撃で
作動してしまったようだ。」
不可抗力によって
聞こえてきた一部は
ここにいたいつメンにとって
気がかりな内容として残った。
「彼らが帰ってくる??」