第二百四十一話 「記憶がかすかに蘇る存在」
この後も
楽しい祝勝会&お疲れ様会が続いた。
「駿ばかり褒められてうらやましいぞ!!
俺だって・・・くそっ!
高坂先輩の前でみっともねーマネしちまったぜ!!」
・・・・
「え?誰??
ってかいつから!?」
孝也と菊池が静かに驚く。
他のメンバーも明らかに驚いている様子だ。
「おいおいおいおい、
俺は最初からずっとここにいたぞ!!
俺は赤組で駿のライバルだった男だ!!」
「駿のライバル?
いたかそんなの。
駿知ってるか?」
「いや~、見覚えないな~」
「何ぼけかましてくれとんねーん!!
柊木だよ、柊木翔。
高坂先輩に開会式で告白した!!」
そのとき全員の記憶から翔の存在が思い出される。
「あー、あの自爆男子」
「なんだ、その自爆男子って!」
「いや、それは
相手は三大美女に匹敵する高坂先輩に
身の程を知らず、ただただ告白して自爆した・・・」
「もういい、それ以上言うな!
ひとまず、高坂先輩への告白は取り下げるが、
高坂先輩、俺まだ諦めてないですからね。」
自爆男子の孝也の説明を遮り、改めて
高坂に再度告白することを宣言した。
高坂はにこりと笑ったが、
目は笑っておらず、
それは近くにいた翔以外の
者たちが高坂の気持ちを強く察していた。
「ほう!頑張れ!!」
高坂の無情な目を見てしまった孝也は、
同い年の翔に一言のみ添えることしかできなかった。