第二百四十話 「期待値ゼロの平民」
高坂が
「駿君は本当に運動神経もいいし、
歌も上手いし、何でもできるのね!!
体育祭でMVPもとっちゃったもんね!!」
「そうなんです。うちの駿はできがよくて
侍の職についてますから。」
「侍?」
孝也が役職の説明を始めた。
「ということは、
孝也君?が将軍で偉くて
次いで、侍の駿君。そして
平民のタロちゃん。なんか分かる気がする。」
この役職に理解を示す高坂を
目を細めてじっと見つめる太郎。
すると高坂と目が合った。
やばっ、気まずい!!
でもそらすな、負けるな俺!!
「何よ。平民なのが納得いかないの?」
「違います」
「じゃあ何?」
「平民を侮ってはいけませんよ。
革命は平民の反乱によって起こるんです!!」
「まったく!
あなたの今日のどこを見て革命を期待すればいいのって!」
くそっ!!めちゃくちゃ的を得たことを。
100m走の醜態に、
テント下での休憩やパフォーマンスの裏方姿なんかでは、
期待のしようがないわな!
確かに今日の、いや今日も俺、平民らしいかも・・・
「あかねちゃん、タロちゃんの良さはね
目に見えないところにあるのよ。ね♪」
そう言ってくれるのはあなただけです、美名城せんっ
「あ、ちょっと褒めすぎた(笑)」
ぐはっ!!