第二百三十八話 「落ち着けない駿」
「それじゃあ、タロちゃんも来たところで
みんな体育祭、お疲れまでした~!!!
かんぱーい♪」
「かんぱーい♪♪♪」
美名城の乾杯のあいさつで
始まった祝勝会?
「美名城先輩、お兄さんの姿が見当たりませんが!」
「あ、お兄ちゃんはお家にいるよ!!
お祝いに勝手に使っていいって貸してくれたの♪」
「ああ、そうだったんですね」
できた妹なら
できた兄ということか。
太郎にとってこういった
お祝いの席は初めてに等しく
慣れないながらも嬉しくもあった。
デートではなかったけど、
こういった仲間との食事もいいもんだな~
そんなことを思っていると
菊池が
「ところでタロちゃん、閉会式どこいたのー?」
初球からごもっともすぎる直球が太郎に襲いかかる。
「あ、それはね、
体調を崩して保健室で寝ていたんだ。」
「ゴホゴホッ」
顔をそらしてむせる駿。
「いやいや~
実は保健室でサボってたんじゃないのー」
菊池の追求に高坂も
「そういえば開会式の時もテント下に来てたもんね」
「ゴホゴホッ」
再びむせる駿。
「ま、ま、まさか~
閉会式出たかったんですけどね~」
「タロちゃんは肝心な時にいないんだから。
でも、タロちゃんの代わりに
坂本さんが見てくれてたからいいの。」
唯一保健室にいたことを知っている美名城が
助け船を出すかと思いきや、坂本さんを話に出した。
「ゴホゴホゴホッ」
太郎より落ち着かない駿だった。
「大丈夫か駿殿?」
「あ、うん、
大丈夫じゃないかも・・・」