第二百三十七話 「新たなお姉さん♪」
「待てよ
こ、このルートは、まさか・・・」
そのまさかであった。
着いたのは
美名城の兄が経営する
「海満をのんびりと眺めながら、
ここいらでホッと一息お茶でもいかがかな♡
略して海満カフェ」だった。
そしてなぜかお店の前に並んでいる多くの自転車。
どこか見覚えがある自転車だな~
いやいや、気のせい気のせい・・・
店内に入ると
見覚えのある顔ぶれが多数。
どこか見覚えのある顔だな~
いやいや、気のせい気のせい・・・
「えーと、
孝也に似た人に
駿に菊池さんに八千草さんに似た人って
いつメンやないかーー!!!」
分かってはいたけど、
分かってはいたけど、
いざ現実となるとひどく切ないものだ。
「あれ、君は確か・・・」
背後から声をかけられる。
振り返ると、
そこには高坂と八千草姉(美悠)がいた。
「あれ?高坂さんとお姉さん!!」
太郎のリアクションに
「いやいや、
美悠さんはあなたのお姉さんじゃないから
気軽にお姉さんだなんて失礼よ!」
と高坂がツッコミを入れる。
「あ、すみません」
「いいのいいの。
実のお姉さんだと思って接してね。」
美悠の笑顔に
太郎はすっかり包み込まれていた。
そんな太郎を見て
高坂は睨みを利かせる。
太郎は高坂の視線に
背筋が凍る思いでいた。
美名城先輩との二人きりデートだと思って来てたら
めちゃくちゃいるやないかーーい!!
V時回復した太郎のメンタルは
また下降の一途を辿ろうとしていた。