第二百三十六話 「お、お、おデート?」
ま、まさか!!
そのセリフは
お食事のお誘い?
しいては
デ、デートのおさそい?
とうとう俺にも青春が来たか!!
「あ、はい、今日に限らず
いつでも空いてます」
「ふふふ、オッケー!
じゃあ、この後、校門前で集合ね♪」
「ラ、ラジャー!」
太郎のメンタルは
体育祭が始まるとともに炎天下によって下っていき、
体育祭が終わって美名城からのデートのお誘い?によって鰻上りでいた。
まさにV字回復。
「坂本さん、妹尾先生お世話になりました。
坂本さん、あの話はまた後日で♪」
そういって美名城は保健室を後にした。
坂本さんは太郎を見て
「あんたもモタモタしてないで
早く行きなさい!!」
「あ、はい、失礼しました!」
太郎が慌てて保健室を後にする様子を
微笑ましそうに眺める妹尾先生と坂本さん。
まさか、
美名城先輩からデートの誘いを受けるなんて!!
太郎は気持ち高ぶりながら靴を履いて、校門前に向かった。
まだ美名城は来ていない。
こういう場合は
俺がデート先の目星をいくつか考えておくべきなのかな・・・
いやいやいや、待て待て、
まだデートと決まったわけじゃない。
このシチュエーションは
デートを連想させるが、
相手は美名城先輩だ。
体育祭でいくら仲良くなったとは言え
俺なんかでは相手は務まるはずがない。
でも一応・・・
念のため・・・・
目星を考えておいた方が・・・・
「タロちゃん、お待たせ♪」
「あ、お待ちかね・・・
あ、いや、どうもです」
「じゃあ、出発♪」
太郎の自転車のリアキャリアに乗った。
「えー、こちらは
安全運転がモットーの太郎交通です♪
ちなみにどちらに行かれますか?」
「えーと、ひたすら海沿いを道なりで♪」
海沿いを道なりって一体どこに行くんだ~~??