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第二百三十四話 「嘘か誠か」
「あら、あれは夏帆ちゃん?」
美名城が保健室に向かってくる様子が見えた坂本さん。
太郎は
着替えているものの
閉会式をさぼっていることに焦りを感じ、
とっさに妹尾先生にサインを送り、
カーテンを閉めてベッドに隠れた。
「あははは」
坂本さんの笑い声が起きる。
「え?」
カーテンからこっそり顔を出す太郎。
「うそよ、うそ!
佐藤、あんたほんとに面白い子ね。」
「えーー、うそですかいな~~」
カーテン越しに安堵する太郎に
妹尾先生が
「予測していたかのように
ベッドへの移動が早かったもんね」
と笑って話した。
太郎は
「私の人生はリスクそのものですから。
常にリスク回避は心がけてます!!」
「ったく、回避ばっかりしていないでたまには立ち向かいなさい。」
坂本さんからの愛の喝が入った
その瞬間
ガラガラガラ
「失礼します。
三年の美名城です。
妹尾先生、こちらに坂本さんいらっしゃいますか?」
保健室の
時が止まった・・・・
「って、あれ?タロちゃん!!」
あ、
あはっ・・・
ども!!