第十六話 「実況席殺伐模様」
「そうなんだ。このゲーム誰が企画したの?」
八千草の率直な質問の答えは、無論、孝也である。しかし、
「これ企画したの佐藤太郎だよ。」
平然と嘘を言ってのけた孝也に
よし、あいつをあとでぶっ飛ばそう。絶対ぶっ飛ばす。
こちら実況席が寒気から殺気へとなっております。
誰も近づかないでくださいね。
「佐藤君が企画して、佐藤くんが平民なの?」
「そうなんだよ。
変わってるよな。身をわきまえているというか・・・」
「じゃあ、将軍の崎坂くんは
相当魅力的な才能があるんだね。」
「まぁ、自分ではそうは思わないけど
そういうことになるかもね。」
お前の才能は他人を容易く犠牲にして
成り上がろうとする強欲なところだ。
こちら実況席、もはや実況席ではありません。
○○現場と化しそうです。
「崎坂くんってすごいんだ。私何にも知らなかった。
佐藤くんは置いといて、あの若草くんを従えさせるくらいだもんね。」
置いといてって、俺の扱いゴミ並だな。
「平民の太郎は置いといて、
侍の駿には俺も結構世話になってるからな。」
「へぇ~、
やっぱ将軍と侍の距離感って近いものあるんだね。
あまり、若草くんと話してるところ見かけなかったから知らなかった。」
俺の扱いはもう慣れたからいいとして、
「お前そんなに孝也と親しかったっけ?」
「いや~、親しさで言えばタロちゃんの方が上だと思うんだけど」
「だよな、あいつはそういうやつだからな」
八千草さんが見かけてないのも無理はない。
「そういえば、何故儂なんかに話しかけたんだ?」
孝也の鋭い問いかけに
「理由はこれといってなかったんだけど、今、私の中で決めたことがあるの。」




