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第二百十話 「築き上げてきたものと築いていくもの」
赤組のパフォーマンスが終わったときも
感じたことのない興奮を覚えた太郎たちだったが、
黄組のパフォーマンスが終わると
さらなる興奮とともに感謝の気持ちが芽生えていた。
これらは全て
先輩たちが築き上げてきたもの
そしてこれからは先輩たちと一緒に
俺たちが築き上げていくもの
体育祭の聖地 グラウンドから
澄み切った青空を眺める太郎たち一年生
「はじめるか」
青組の準備にざわめきが起きる。
青組スタンドに広げられた大きなもの。
その大きなものの周りを黒の仕切りが覆う。
それはまるでライブ会場の様だ。
するとその大きなものの前には
これまた大きな滑り台が出現した。
赤組の高坂あかね、黄組の八千草美悠は
冷静にその様子を見つめていた。
「あの美名城先輩が、」
「あの夏帆ちゃんが、」
「やろうとしていること。絶対何かある!!」