第十三話 「天使のような可愛らしい声の持ち主」
「そうじゃな~~、
何かいい名前ないかな~~」
飛び込み三人組に代わる
ネーミングを考えている孝也に
「うん?・・・名前?何の名前?」
「ほう、将軍の儂に向かって
背後からもの申してくるとは、無礼者。
一体何奴じゃ?」
「うん?将軍?
誰が? 無礼者? 私が?」
混乱している様子の無礼者を
太郎と駿は教室の窓から見て
ただただ冷や汗をかいていた。
頼むから気付いてくれ孝也。
今やお前は将軍ではない。
高校一年三組の崎坂孝也だ。
だが、将軍モードに入った孝也は、
「ああ、そなたが無礼者である。表に来い。」
と背中越しに役者ゾーンに入っている模様
「無礼者っておかしい(笑)」
爆笑する無礼者に
「何がおかしい!」
と強めの口調で言う孝也
会話が続くたびに太郎と駿の冷や汗は止まらない。
「確かに後ろから話しかけたのは
失礼だったと思うよ。そこはごめんね。
でも、今どき無礼者って言うの聞かないし、
言われたのも初めてだったから、つい面白くて話し続けちゃった。
ずっと後ろから話しかけててごめんね。崎坂将軍♪」
孝也はこの時、太郎や駿にはない
可愛らしい声に疑問を抱き始めていた。
待てよ、
もしかしたらこの声は、
女子ではないか。
いや、そうだ。
では一体この天使のような可愛らしい声の持ち主は・・・
孝也が振り返ると
目の前に現れたのは、
我が一年三組誇る
小柄でポニーテールがお似合いの可愛い系美女の 八千草 咲苗 だった。
俺と駿は、
孝也が顔を真っ赤にして即座に下を向く姿を
手で口元をおさて笑いをこらえながら覗き見していた。
「な、な、な、なんと、八千草さんだったか」




