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第二百一話 「底知れぬ力強さ」
和太鼓の胸を打つような音
力強い踊り
この二つのパフォーマンスは少しずつ
一つのパフォーマンスへと変容を遂げていく。
一言で表すなら
底知れぬ 「力強さ」
間奏に入ると、
横一線に踊っていた生徒たちは
グラウンド全体にばらついていく。
黄組、青組のスタンドの生徒たち、
放送席やその他の場所から観ている先生や関係者たちに
手拍子と足踏みを促した。
太鼓の音がかすんでしまうくらいの
大きなうねりとなった手拍子と足踏みは
地鳴りを生み出し、とつてもない迫力を生み出す。
看板の絵と同様に
炎に包まれ
踊る者も
演奏する者も
観ている者も
目は釘付けになり、心に熱い炎が生まれていく。
最後のパートを終え
太鼓の強烈な連打とともに
一糸乱れぬ踊りは激しさを増していき、
最後は太鼓の音とともに拳を高々と突き上げた。
赤組のパフォーマンスは
観る者たちを圧倒し、
敵ながら「かっこよすぎる」「震えた」
と言葉にせずにはいられない結果を残した。
これが赤組のリーダー
高坂あかねが表現したかった
赤組の 底知れぬ「力強さ」だった。