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第百九十二話 「激闘の三つ巴」
黄組の三年陸上部部長の舟道速人に
バトンが渡った瞬間、
黄組の優勝を確信した黄組陣営
相手は二人とも一年生。
抜かされることはありえない。
しかし、赤組と青組の陣営は
まったく違うことを考えていた。
あの100m、200mを勝ち抜いて
一位で駆け抜けていく姿が、
ガッツポーズをしている姿が、
鮮明に残像としてある。
きっとやってくれる!!
翔と駿は
併走状態でぐんぐん速人に迫っていく。
残り、100mトラック半周としたところで、
翔と駿は速人を捉えた。
赤組と青組の声援はより一層盛り上がっていく。
三人が横一線となり
互いの威信をかけて
チームの期待を背に
けたたましく駆けていく。
まさに三つ巴!!
横一線となった最後の半周は、
三人ともそれぞれの過去(想い)を回想し駆けていた。