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第百八十二話 「一同カムバック」
「しっかし、三大美女に偽りなしだね。うらやましい!!」
菊池が八千草美悠の美しさにあっけにとられていると
孝也が
「いや、菊池殿も可愛いでござるよ」
「何、その後付感!!」
「いやいや、誠で候!!」
「そういえば、みんなこそなんでここに?」
太郎がおもむろに尋ねると
八千草が
「タロちゃんを迎えにきたの。
みんなでこの体育祭を楽しみたいなって!」
孝也も
「そうだぞ、迎えにきてやったのだ。
それにずるいぞタロ氏。お主だけ抜け駆けして
その、高坂先輩とこそこそとお近づきになりおって。」
太郎は
「そうだな、日差しの中はあまり得意ではないけど・・・」
と言って、太郎たちは青組のスタンドへと戻っていった。
「続いて200m走です。
果たして200mで一番速い者は誰でしょう!?」
放送を続ける高坂の中で
太郎がいなくなっただけなのに、
なぜか大勢の人がいなくなってしまったような
寂しさのような感情が残っていた。