第百七十七話 「100m走最終組の順位」
第三位は
赤組、吉田 塁
第二位は
黄組、立川 疾風
第一位は
青組、若草 駿
高坂はすかさず
「なんということでしょう!!
青組、帰宅部一年生の若草駿くんが激戦必須の最終組で
見事一位でゴールテープを切りました!!
これは快挙です。」
駿は走り終えると
ともに走った太郎を探した。
なかなか見つからず
少し焦った様子だった駿だが、
「そして青組一年生 佐藤太郎がようやくゴールです」
高坂の放送を聞いて後ろにいたことに気付く。
「タロちゃん、まったく」
あきれる駿に
「駿、ナイス。一位になれると思ってたぜ、後ろから(笑)」
駿は太郎が宣言した一位を獲れたことと一緒に
太郎と横一線ではなかったものの一緒に走れたこと、
後ろから応援してくれていたと思うと嬉しい気持ちになった。
駿が太郎にみんなのところに戻ろうと言うと
「実は俺、あの赤組の怖いお姉さんから仕事手伝わないと二度と
日陰に座らせてあげない的なことを言われてんだ。怖いだろー。
まだこの体育祭は長いから、
もう少しあそこで放送手伝いながら休ませてもらうわ。
あ、ちょっと駿のことあのお姉さんに紹介させて。」
「え、俺を??」
太郎は駿を連れて放送席へと戻った。