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第百七十六話 「スターターピストルの合図とともに」
駿は太郎に
「やってくれたね、タロちゃん」
太郎のあの放送によって
駿と太郎は最終組の参加者から
射貫かれるような鋭い視線を浴びていた。
「へへ、盛り上がると思って言っちゃった。
でも勝てばいい話だから、任せたよ。」
「え、任せたって?タロちゃんも走るんだよね。」
「おう、走るには走るが・・・
お、やべ、始まるぞ!」
審判の先生が
高々とスターターピストルをあげた。
最終組がスタートの構えに入った。
先ほどまで盛り上がっていた
スタンドが静まりかえる。
「 いちについてー よーーーい バン!! 」
スターターピストルの音ともに
一斉に勢いよくスタートした。
横一線
かと思いきや
一人の選手が早々に遅れをとる。
その光景はうさぎの群れにかめが一匹いる
そんな光景といったところだ。
一人の選手を除き
皆が横一線となり、そのままゴールする。
ゴールラインで
順位をつけるのが
千里眼持ち主である真千先生
一体どこの誰が一位なのか。