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第百六十二話 「休憩場所を求めた先に」
「あ、僕ですか?
僕は一年の佐藤太郎と言います。
どうぞよろしくです。」
「あ、私は高坂あかねです。
こちらこそよろしくお願いします。
っていやいや、そうじゃなくて
どうしてこちらに?」
「特に高坂さんに用があるわけではなくて
ちょっと暑くて、あの中にいるの息苦しかったので、
いい休憩場所ないかなって探してたら
なぜかここにたどり着いちゃいました。」
「あ、休憩場所として・・・」
「僕はここで休んでるだけですので
どうぞ体育祭の開会式の続きを気にせずやってください。」
「あ、はい」
周囲のざわつきは増していく
あいつ自然に高坂先輩と話をしてるぞ。
しかも肘ついたまま。確か一年だよな。
駿と孝也は太郎を迎えに行きたかったが、
周囲がざわつき始めて、行くにいけないでいた。
頼むからこれ以上変なことを言わないでくれ。
まじで先輩方に殺されちまうぞ!!
孝也と駿の想いは百八十度違う形となって
太郎に届くのであった。