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第百五十五話 「モテ伝説」
「タロ氏、まさかあそこにいる赤組のお姉さん、
いや、高坂あかね殿がタイプなのか?」
「いや、別に」
太郎が孝也の推察を否定すると
「よくあの人の名前知ってるね」
と駿が反応した。
「もちろんだ。敵陣の人とはいえ、
美名城先輩に並ぶ美女と海満の中では有名な方だ。
知らぬお主たちこそ不思議だぞ。」
「お、おう、すまん」
「ちなみに高坂あかね殿は今は高校二年生で、
パリからの帰国子女として騒がれ、
入学式の日に、
高三から二人
高二から三人
そして同じ高一から五人
全体で十人の男たちが粉砕したという
異常なまでのモテ伝説を残している。」
「えーーー!!!ほんとの話か、それ?」
駿が珍しく孝也の話に驚くと
孝也は続けて
「ああ、どうやら本当らしい。
これは噂ではなくて、伝説として語られている。
くそ、高坂先輩も青組だったら・・・」
孝也の切実な想いを駿は感じ取った。