157/301
第百四十九話 「タロちゃんの発想と熱意」
美名城の説明を聞いた
孝也、そして菊池、八千草、駿は
あの視聴覚ホールで見た感動を思い出した。
実際にダンスチームとして
踊っていたあのシーンが
まさか夏海の協力があってのことだとは
企画係だった太郎を除いて誰も知らなかった。
「タロちゃんは知ってたんだ・・・」
八千草が太郎の方を見つめると
太郎は軽く頷き、
「助手だからね」
美名城は
「ちなみに私のお兄ちゃんに協力を求めた、
いや、このカヌーを使った演目はすべて
タロちゃんの発想なのよ」
と付け加えた。
太郎は
「いやいやいや、まさか、美名城先輩のお兄さんが
ヨットをやっていたことすら知らなかったわけですから。」
店長は
「そうだったな。
だが、俺が協力する気になったのは
夏帆のためでもなければ、
体育祭に未練があったとかでもなくて
タロちゃんの熱意を感じたからだぜ!!」