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第百四十二話 「深まっていく謎」
夏海は話の展開についていけていなかった。
結婚していたということ
そして母であるということ
今は元科学者ということ
そして不死の薬を作っているということ
どれも確かなことは一つもない。
だが、初対面の自分にわざわざ嘘の話をするとも思えない。
夏海の中で彼女の謎が深まっていく。
気になってしまった彼女は
謎めいた、魅惑な彼女
酔いは覚めてきている。
俺が彼女の話を飲み込むためには
もっと確信に迫っていくしかない。
よしっ
「あの・・・」
「あ、そろそろ私、帰るわね」
「・・・え?」