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咲かせたのは君  作者: バルたん
第一章 誰に似るでもなく
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第七話 「迷惑をかけてこなかった自分」

太郎の中で変態と変わり者な

孝也と駿が少しうらやましく思え始めていた。



俺は昔からそうだった。


自分のことは自分でする。

他人に迷惑をかけない。

幼少期の頃からそう教わり続け、

無意識にそう行動してきた。


友達は小学生の頃から塾に行って

予習復習をしていたが、俺は違う。


地域の図書館や公民館に行き、

辞書を片手に独り宿題と向き合っていた。


それから情報化社会が進み、

知らないことはネットとスマチョで手軽に入手できるようになった。


電子辞書ですらあまり見かけなくなってきたのだから、

愛用していた書籍の辞書はアナログ人間の最終兵器と言えるだろう。


今の俺は同じ高校生の中でも勉強も含め、

たいていのことは自分の力で解決できるし、

特に目立って迷惑もかけていない・・・はずだ。

ある意味世間が言うエリート候補と言えるのではないだろうか。


だが、どうだ。

自分のことは自分でと

他人に迷惑をかけないことばかり意識するあまり

気付けば関わりは希薄になり、友達は少なく、

いつだって周囲の自分に対する評価が第一優先されるようになっていた。


さっきも孝也の周囲を気にしない

己を貫く意見に対して理解しようと受け止めてやることができなかった。


それどころか真っ先に俺の脳は周囲の目線、

表情と言った反応に意識が逸れてしまった。

孝也の意見が正論であったかは置いといて

結局は孝也と話しているのに孝也と向き合えていなかったのだ。


俺の唯一の友である孝也と駿は変態と変わり者に相違ないが、

まっすぐ自分を持った誇らしい奴らだと俺は心から思っている。


俺もまっすぐ周囲の奴らの評価なんざ気にならない

自分を持った男になりたい。

そして二人の友と迷惑をかけ合える仲でありたい。


と想う五月一五日の今日この頃だ。


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