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第百四十一話 「使命に従って」
「分かっていても・・・
そう、分かっていたとしても
私は自分の使命に従ったまで。」
「自分の使命?」
「そう。あなたもいずれ分かるわ。
人の使命なんてのはね、
突然、何の前触れもなくやってくるものなのよ。
だから私は正式な科学者としてではなく、
元科学者として、
そして母としての使命を果たしたのよ。」
「え?
元科学者?
母として?結婚してるんですか?」
「ごめんなさい、言ってなかったわね。
でも、旦那はいないの。
それについ一年前までは
東京で科学者として働いていたんだけど、
このことで私は職場を離れて、
今はひっそりとした所で私の使命に従って仕事をしているわ。
もちろん稼ぎがないとやっていけないから
前にいた研究所から依頼を受けて
その分で食いつないでるって感じね。」
「生活、大丈夫なんですか?」
「ええ、ノープロブレムよ♪」