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第百三十九話 「嘘か誠か」
「それで結局は何の実験をしているんですか?」
しつこいと嫌われるだろうか?
いや、まだ確かなことは聞いていない。
確かなことは・・・
彼女は目を細め、笑みを崩さず言った。
「今、店長さんが言ったものよ」
「え?冗談はやめてくださいよ、
さすがにそれは嘘ですよね。」
彼女をまっすぐ目つめる夏海に
「ふふ、本当よ。
こんなこと冗談でも他人には言えない。
でも不思議とあなたには言えたし、
言う前にあなたがその答えを導き出してくれたわね。」
冗談は嘘か誠か
この場で明らかにはなりそうにない。
夏海はそう感じた。
ただ、彼女に何があったのか。
気付くと
店長さんからあなたへと呼び名が変わっていた。