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第百三十八話 「そんなものがあるならば」
「どの辺で働いているんですか?」
「それは秘密よ。
でもどんなことを実験しているかは
教えてあげてもいいけど・・・」
「どんなことを実験しているんですか?
例えば不死の薬の開発とかですか?」
「あら、不死の薬ほしいの?」
冗談半分で言った不死の薬について
聞き返された夏海は
「そうですね、そんなものがあるのなら、
いつまでもこうして海満の美味しい魚たちを振る舞いながら
お姉さんとお話していたいです。」
「あら、店長さんシャレたこと言うじゃない、ふふ。」
はぐらかされたのか。
夏海は彼女への気持ちを今は必死に抑えながら
もう一度聞いた。