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第百三十五話 「あの人との出会い」
「あの人?」
「そう。彼女はあの日、
海満の海辺を歩いてたんだ。」
夏海がゆっくりと話し始める。
俺が魚を獲って海辺に戻ってくると
彼女は、海満の海辺を歩いていて、
なぜかその日の俺は自分から話しかけた。
「あの、
こんなところで何をされているんですか?」
「こんなところって、ここは素敵な海辺よ」
「すみません、そうですね」
「今は気晴らしをしているの。あなたは?」
「気晴らしですか。俺は魚を獲ってきました」
「あら、どんな魚が獲れたの?」
ここまでは、何気ない感じだが、
その後、彼女は俺の店に来るんだ。
菊池は
「え?それでそれで?」
「ああ、それからが重要なんだ」