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第百二十一話 「注文作戦その1」
どうして俺が・・・
ばれないことがベストだが、
そもそもすでに美名城先輩は
注文していないことに気付いた。
いや、
美名城先輩の発言を受けて
あそこにいる5人は皆、
早く注文したいと思っている。
そんな中で、
俺が注文表をあたかも
テーブルにあったかのように置くことができるか?
否、不可能だ。
そもそも注文表を置くという考え方に無理がある。
美名城先輩がこっちを見ている・・・
明らかに注文表を置き忘れた。
聞き忘れた店長のミスだが、
どうにかカバーするためには、あの手を使うしかない。
やっている人を見たことがなければ、
やったことももちろんないが今はやってみるしかないんだ。
「あ、タロちゃんお水ありがとう♪」
「いえいえ」
まずは笑顔でお水をみんなに配る。笑顔が大事!