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第百二十話 「店長からの極秘指令」
「どうだろう、
私は少なくともタロちゃんに助手?
してもらってとても助かってるし、頼もしいわ。
私のわがままにも付き合ってくれるしね。」
美名城の皮肉たっぷりの言葉に太郎は顔を両手で覆った。
菊池は、どうしてタロちゃんなのか?
を聞きたかったが、
美名城が太郎を誰よりも
信頼しているということが分かった。
これ以上
どうして?
と聞くのはおかがましいことかもしれない。
「そういえば、まだ注文してないわね」
美名城が注文をとっていないことに気が付くと
「おーい、タロちゃん、
ちょっとこっち来てくれないかー!」
店長で美名城夏帆の兄の夏海が太郎を呼び出した。
「どうしましたか?」
「これ、メニュー表なんだけど、
こっそりテーブルに置いてきてくれない?
夏帆がないことに気付いたら
うるさそうだから、こっそりね。」
太郎は美名城がすでにそのことに気付いていることに
気付きながら夏海の指令を受けるのだった。