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第百十九話 「企画係の真実」
「実は美名城先輩に拾ってもらったんだ」
「え?拾ってもらった?」
太郎は続けて
「俺はこれといって絵が描ける訳でもないから
八千草さんからの助言もあって設置班にいったけど、
仕事も遅くて、結局全然役に立ってなかったんだよね。
そしたら看板チームのリーダーの美名城先輩が
図書室にいた俺に声をかけてくれて、
主に美名城先輩の助手という形で今もいるんだよ。
企画係というのは名ばかりで、いつも美名城先輩の企画に
振り回されながらも、学ばせてもらってます。」
笑顔で言いきった太郎に菊池が
「そうだったんだね」
と先ほどまで裏方で
動いていた太郎のことを思い出していた。
きっと役に立っていない
というのはタロちゃんの謙遜だろうけど、
美名城先輩の助手という立場は
美名城先輩とよく一緒にいるところを見かけることからも
納得がいく。
でもなんで美名城先輩はタロちゃんを
助手に選んだんだろう?
「美名城先輩は
タロちゃんのことをどう思っているんですか?」