115/301
第百七話 「太郎の背後霊」
ステージ裏の片付けを終えた太郎は
孝也らと合流した。
「あれ、タロちゃん、美名城先輩はいいの?」
少し前の会話の中で、
美名城とお昼の話を
していたことを聞いていた菊池が聞くと
太郎の表情が少し歪んだ。
「そ、それが・・・」
太郎が話し出すと、
太郎の背後から突如顔を出す美名城がそこにいた。
驚いた菊池と駿は
「きゃー!!!」
と大きな声を出し、
それに美名城は
「いや、ちょっと背後霊じゃないんだから」
とすかさずツッコミを入れた。
そのとき、大きな声は出さなかった孝也も
数秒間心臓の鼓動は驚きで停止していた。