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第百四話 「ステージ裏でのやりとり」
突然ステージ裏へとかけだした孝也。
駿らも驚いて孝也の後を追った。
ステージ裏では大型スクリーンを
片付けるために
上の留め具を外している太郎と
下から指示を出す美名城がいた。
「そこを外したら次はこっちね!あ、いや、待って、
やっぱりこっちが先で次はあっちかも・・・」
「美名城先輩・・・このままだとお昼食べないで
日が暮れちゃいますよ。」
「大丈夫よ。日が暮れてたらお昼ご飯はないけど、
晩ご飯があるから!」
「やれやれ・・・人遣いが荒いんだから・・・」
二人の自然なやりとりは
孝也を立ち止まらせるのに
充分なものだった。